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腓骨下端部骨折

腓骨下端部骨折

この骨折は、よく患者さんが「足を捻挫した」と言って歩いてきていて、実は骨折しているということが多くみられる外傷の一つです。

 

先日来られた方も、「階段を踏み外して足を捻じって、どっかにぶつけた」と言って来院されました。

この、「どっかにぶつけた」という表現、骨折したことがある方ならわかると思いますが、骨折などの怪我をするときは一瞬の出来事なので分からず詳しく説明できないものです。私が柔道で骨折したときも実際は捻じって筋肉の牽引などで骨折するのですが、ぶつけた感覚がありました。

 

このぶつけた感覚は骨折した時の衝撃なんだと思います。(実際は捻じって骨折することが殆どです)

 

そして、この患者さん痛みがそこまで強くなく(多分完全骨折で骨膜の刺激が少なかったからだと思われます)、腓骨という体重をかけてもそこまでストレスを受けない骨ということもあり歩いて来院され、捻挫したと仰って来られました。

 

初診時の外観写真を撮るのを忘れたのですが、再診時の写真です。

分かりずらいですが、下腿中央から足先まで皮下出血斑が顕著に現れており、初診時に固定と圧迫包帯処置をしているので浮腫や腫脹がだいぶ軽減しておりますが、初診時はくるぶしが見えないくらいパンパンに腫れておりました。

 

エコー検査です。

 

完全に転位(骨のズレ)しているのが分かります。

 

また、提携クリニックでのレントゲン画像です。

 

斜めに骨折線が入っていて、前脛腓靭帯の付着部と同じくらいの高さで折れていて、保存療法適応の骨折です。

 

 

ここの骨折の分類として、前脛腓靭帯の付着部と骨折部の位置関係で分けられ、この靭帯よりも近位(上の方)で折れていれば骨折部は非常に不安定で手術をしたほうがいいなど指標の一つとなります。

 

この患者さんはタイプBです。

 

保存療法でも治る確率はありますが、斜骨折であること、転位があり整復後も残ってしまったこと、体重やご年齢を考慮して松葉杖での生活のことを考えると手術をした方がこの患者さんにはいいのではないかと思い、大きな病院へ紹介致しました。

 

このように、捻挫したと思ったら実は骨折していることが多々ありますので、きちんと整形外科や整骨院の受診を早めに受けるようにしてくださいね。

 

 

 

☆本日も健康と幸せを☆

 

 

 

 

 

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