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めまいに対するリハビリ
めまい(眩暈)に対するリハビリ
当院はリハビリ特化型デイサービスを併設しているので、よく高齢者のめまいに遭遇し、めまいの改善がQOL(生活の質)やADL(日常生活動作)を改善するためには必要不可欠で、それを改善するスキルが求められております。
当デイサービスでもめまいを訴える方が非常に多く、めまいが起きないように外出を控えたり動作を控えている方が多く、転倒による骨折も非常に多く、活動性が低下し引きこもりや不安症へと移行して身体・心身機能が日に日に低下していく方を沢山見てきております。
しかし、めまいに対する治療は医科では終わり、または成す術がなくめまいに悩まされている高齢者の方をよく見かけます。
めまいに対するリハビリは前庭リハビリテーションといい、しっかりとした評価(前庭リハビリが適応か)ができたうえで開始され、めまいが改善して前の日常生活に戻れる可能性があります。
めまいの症状
めまいは突然出現し、軽症の場合は数秒で軽快しますが重症の方は嘔吐などの症状や立っていられずに救急搬送されます。
めまいの症状には以下のようなものがあります。
・目の前が回転する(回転性めまい)
・吐き気、嘔吐
・発熱
・耳鳴り、聴力障害
・目の動きの異常(眼振)
・バランス機能低下
・血圧、心拍数の変化
などです。
原因
めまいの原因として、
①前庭系の問題
②心血管系の問題
③神経系の問題
④精神系の問題
に分類できます。
前庭神経炎や迷路炎、脳梗塞などのめまいが強く嘔吐や頭位変換不能で安静時にもめまいが出るものから、一過性で安静時には眩暈がなく頭位変換などで誘発されめまいの持続時間が数分と短いもの(BPPV:良性発作性頭位めまい症や起立性低血圧など)、一過性のめまいで誘発因子がない前庭性片頭痛やメニエール病など多岐に渡ります。
まずは医師の診察と治療を要します。
めまいのリハビリ(前庭リハビリテーション)
前庭リハビリの適応として、末梢性の障害によるめまいや平衡障害患者に対して、日常生活動作や生活の質を改善する目的で行われます。
※頭部を動かすため、頸部疾患がある方や認知機能低下、転倒リスクが高い方、高血圧や不整脈などの心疾患、視力障害がある方には注意が必要です。
1.前庭脊髄反射(半規管脊髄反射)の適応誘導する平衡訓練
姿勢制御は前半規管脊髄反射と後半規管脊髄反射で主に行われるので、頭部を上下や左右に傾けながらの歩行をして前と後半規管を刺激して歩行することで、前庭脊髄反射の適応を誘導します。
2.前庭動眼反射(半規管動眼反射)の適応誘導をする平衡訓練
固定指標(当院では指を見てもらってます)を固視しながらの歩行訓練にて、前庭動眼反射の適応が誘導され、頭部運動に伴う動揺視の改善が期待できます。
3.前庭脊髄反射(耳石器脊髄反射)の適応誘導をする平衡訓練
立位で頭部と体幹を前後や左右に傾けて、体を真っすぐになるように意識しながら安定させます。
最初は開眼でおこない、慣れてきたら閉眼して難易度を上げていきます。
4.感覚代行を誘導する平衡訓練
急性期の前庭障害患者では体性感覚依存(主に下肢や足底の感覚)ですが、慢性期になると視覚依存になると言われております。
姿勢抑制が視覚依存になると、動きのあるものを見ると視覚刺激となりめまいを訴えて姿勢が不安定となります。そのため、足底からの感覚(体性感覚)に意識を集中させて中枢神経系(小脳)での感覚情報を統合し姿勢抑制を行い(Sensory reweighting)、視覚依存から体性感覚依存に変化させます。
不安定なマット状での継足での平衡感覚訓練を、開眼と閉眼とで足底の感覚を意識してそれぞれ30秒づつ行う。
5.慣れを誘導する
普段めまいを起こす頭部や身体の動きを繰り返し、慣れる。
これは中枢前庭系の脱感作、統合、再構築が関与していると言われております。
座位→背臥位、背臥位→左側臥位、背臥位→右側臥位、背臥位→座位、座位→左Dix-Hallpick position、左Dix-Hallpick position→座位などなどあらゆる動作をしてめまいを感じる動作をして、めまいが誘発されたら治まるまで待ち、その後更に30秒間そのままの姿勢で待ち、同じ動作を行いめまいを誘発させてを3~5回繰り返す。
このようにしてめまいに対するリハビリを継続して、めまい症状を改善してADLやQOLが向上するように当施設では対応しております。
めまいでお困りの際には、一度当院にご相談ください。
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